1 行政に関するトラブル例
美容医療クリニックの運営においては、患者対応や経営のみならず、国・都道府県・保健所など行政との関係が極めて重要です。近年、美容医療分野は社会的関心が高まっており、行政による監督や指導も年々厳格化しています。その結果、意図せず法令違反を指摘され、行政指導や処分に発展するケースもあり、このような場合には一般消費者からの信頼を大きく失うことになります。
特に多いのが、医療広告規制を巡るトラブルです。医療法やガイドラインに違反する広告表現、ビフォーアフター写真の不適切な掲載、効果を断定する表現、SNSやキャンペーン告知の問題などが指摘対象となりやすく、是正指導や改善命令、公表に至る例も見受けられます。これらは悪意がなくとも、解釈の違いや知識不足から生じることが多いのが実情です。
また、無資格者による医療行為、医師の管理体制不足、管理医師の常勤性や名義貸しの問題、カルテや同意書の不備など、診療体制そのものが問われるケースもあります。さらに、突然の立入検査や行政からの照会に対し、初動対応を誤った結果、不要に不利な評価を受けてしまうことも少なくありません。
こうした場面において、弁護士は重要な役割を果たします。行政指導や立入検査に対する事前準備・同席・回答書作成を通じて、事実関係と法的評価を整理し、過度な処分を回避するための対応を行います。また、ホームページや広告、SNS投稿について事前にリーガルチェックを行い、行政指摘を受けにくい表現へと修正することも可能です。
さらに、行政の解釈に疑義がある場合には、法令・ガイドライン・過去事例を踏まえた意見書を提出し、是正範囲の限定や公表回避に向けた交渉を行います。あわせて、院内規程やマニュアル、契約書、同意書の整備など、将来のトラブルを未然に防ぐ体制構築も弁護士が支援できる重要な分野です。
美容医療における行政対応は、「問題が起きてから」ではなく、「起きる前」「指摘を受けた直後」の対応が結果を大きく左右します。専門的知見を有する弁護士が関与することで、リスクを最小限に抑え、安心して診療・経営に専念できる環境を整えることが可能です。当事務所は、美容医療分野に特有の実務を踏まえ、実践的かつ現実的な法的サポートを提供しています。
2 美容医療クリニックにこそ顧問弁護士を
美容医療分野では、広告表現や診療体制、スタッフ運用など、日常的な判断の積み重ねが、将来の行政指導やトラブルに直結します。
「問題が起きてから弁護士に相談する」のでは、時間的・心理的・経営的な負担が大きくなることも少なくありません。
顧問弁護士がいることで、広告やSNS投稿を事前にチェックできる、行政からの照会や立入検査に冷静に対応できる、院内ルールや書式を継続的にアップデートできる、に迷ったときに、すぐ相談できる、といった日常的な「予防」と「安心」を確保することが可能になります。
当事務所では、美容医療分野に特有の行政対応・広告規制・実務慣行を踏まえ、形式的な助言にとどまらない、現場に即した顧問サービスを提供しています。
経営者・管理医師の立場に寄り添いながら、トラブルを未然に防ぎ、安定したクリニック運営を支えることが私たちの役割と考えています。

